概要
著者が何を求めているのかについて明確な情報が与えられれば、プロの校正者は原稿をはるかに効果的に改善できます。学術・科学論文の校正者は、言語、文体、学術的な表現に関する専門家ですが、著者がどの学術誌の要件、綴りの慣例、句読点の好み、参考文献の扱いに従おうとしているのかを自動的に把握することはできません。こうした情報を最初に提供することで不確実性が減り、校正者は文書全体を通じて正確で一貫した判断を下しやすくなります。
このガイドでは、作業開始前に学術校正者へ提供すべき情報について説明します。学術誌の著者向け指示、参考となる論文、イギリス英語またはアメリカ英語、句読点の好み、引用・参考文献のスタイル、専門用語、略語、表や図、校正対象から除外するセクション、過去の編集コメント、さらに著者が特に介入を望む、または望まない領域を取り上げます。
指示が正確であればあるほど、校正者は効率的に作業できます。原稿とともに短い説明書を添えることで、不要な確認を防ぎ、編集の不統一を減らし、完成した文書が著者の意図と投稿先の学術誌、大学、出版社の要件の両方を反映するようにできます。
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校正者に必要な情報を提供する
プロの学術・科学論文校正者に依頼することは、学位論文、博士論文、研究論文、または学術誌掲載論文を投稿用に準備する際の、最も有用な最終工程の一つとなり得ます。熟練した校正者は、著者が同じ文書に何週間、何か月も取り組んだ後には見落としがちな、文法上の誤り、綴りの不統一、不明瞭な句読点、不自然な表現、書式設定の問題、その他多くの細部を見つけることができます。
しかし、最も経験豊富な校正者であっても、著者や投稿先の出版物が何を正確に求めているかを自動的に把握することはできません。プロの校正者は非常に熟練した読者ですが、読心術を使えるわけではありません。原稿内のパターンを見つけ、用法の一貫性から著者の好みを推測できることも多い一方で、文書内に複数の競合する綴りの慣例、異なる引用スタイル、または一貫性のない書式設定が混在していると、そうしたパターンを特定するのは難しくなります。
このため、著者は作業開始前に明確な指示と補足情報を提供することで、専門的な校正の効果を大幅に高めることができます。短いメモを用意するだけで、かなりの時間を節約し、不確実性を減らし、最終原稿が著者の意図と雑誌、大学、出版社の要件の両方を反映するようにすることができます。
1. 雑誌の著者向け投稿規程を必ず提供する
原稿を特定の雑誌に投稿する予定であれば、校正者に提供できる最も有用な情報は、その雑誌の最新の著者向け投稿規程です。これらの指針には、次のような要件が含まれている場合があります。
• 原稿の構成
• タイトルと抄録の長さ
• 見出しの階層
• 綴りの規則
• 参考文献のスタイル
• 表と図の提示方法
• 略語
• 統計表記
• 測定単位
• 補足資料。
• 語数制限とファイルの準備
校正者がその雑誌や出版社にすでに精通している場合でも、最新の投稿規程を提供する価値はあります。編集上の要件は変更されるためです。雑誌は、参考文献のスタイルを更新したり、抄録の最大語数を変更したり、データの利用可能性、倫理声明、グラフィカルアブストラクトに関する新たな要件を導入したりすることがあります。
原稿と一緒に投稿規程のコピーを送るか、雑誌の著者向け情報ページへの直接リンクを提示してください。指針が複数のページにわたる場合は、文書に特に関係するセクションを示すと役立ちます。
2. 投稿規程が限られている場合は、最近のサンプル論文を提供する
雑誌によっては、正式な指針を最低限しか示さず、代わりに最近発表された論文のスタイルに従うよう著者に助言している場合があります。そのような場合、校正者が原稿の準備に使用したものと同じ例にアクセスできるようにする必要があります。
論文がオープンアクセスの場合は、リンクを送るだけで十分なことがあります。購読または機関データベースを通じてのみ利用できる場合は、許可される範囲でPDFのコピーを提供してください。
最近発表された論文からは、雑誌の投稿規程に記載されていない次のような詳細も確認できます。
• 見出しにセンテンスケースとタイトルケースのどちらを使用しているか
• シリアルカンマを使用しているか
• 引用符にシングルクォーテーションマークとダブルクォーテーションマークのどちらを使用しているか
• 表に縦罫線が含まれているか
• 統計記号がどのように表記されているか
• 参考文献中の雑誌名が省略されているか
• DOIがどのように記載されているか
• 図が本文中に埋め込まれているか、別に配置されているか
校正者は、代表的な論文を2、3本確認すれば、信頼できる学術誌のハウススタイルを定められることが多いものの、サンプルが最近のものであることが重要です。古い号には、学術誌がもはや採用していない慣例が反映されている可能性があります。
3. イギリス英語とアメリカ英語のどちらを求めるかを明示する
英語による学術論文では、通常、言語の一つの変種に統一する必要があります。最も一般的な選択肢はイギリス英語とアメリカ英語ですが、一部の学術誌では、その他の確立した地域変種も認められる場合があります。
学術誌が特定の形式を指定している場合、校正者はその要件に従うだけで済みます。指定がない場合は、どの変種を希望するかを校正者に伝えてください。
これは、colour/color や analyse/analyze のようによく知られた綴りだけに影響するわけではありません。次の事項にも影響することがあります。
• -ise/-ize 形式
• 引用符周辺の句読点
• 集合名詞
• 特定の前置詞
• 語彙の選択
• 日付形式
• ハイフンの使用
• 大文字の使用。
明確な指示がなければ、校正者は原稿内ですでに優勢なパターンを維持することがあります。文章にある程度の一貫性があればこの方法でも機能しますが、文書にイギリス式とアメリカ式の形式が混在している場合は信頼性が低くなります。
4. 重要な句読点の好みを校正者に伝える
学術誌の投稿規定では、句読点についてほとんど説明されていないことがよくあります。しかし、句読点は、著者の強い好みが表れたり、専門分野の慣習が異なったりする領域の一つです。
たとえば、リストでシリアルコンマ(オックスフォードコンマ)を使うかどうかを校正者に伝えてください。比較してください。
この研究には、医師、看護師、そして管理者が参加した。
次の文と比較してください。
この研究には、医師、看護師、管理者が参加した。
どちらも選択したスタイルによっては許容されますが、原稿全体でこの2つの方法を混在させると、ずさんな印象になります。
その他に役立つ句読点の好みとしては、次のようなものがあります。
• 一重引用符か二重引用符か
• 挿入句にスペース付きの en ダッシュを使うか、閉じた em ダッシュを使うか
• 独立したリストにおける句読点
• e.g. や i.e. などの略語の扱い
• 短い導入句の後にコンマを置くかどうか。
完全な個人用スタイルガイドを用意する必要はありません。自分にとって重要な選択や、文書内ですでに意図的に決められている事項だけを簡単に伝えてください。
5. 必要な参考文献スタイルを特定する
参考文献は、学術校正の他のどの側面よりも時間がかかることがよくあります。これは、学術誌によってスタイルが大きく異なるためです。校正者が、使用する参考文献システムを自動的に把握していると決めつけないでください。
学術誌がAPA、Vancouver、Harvard、Chicago、MLAなどの特定のスタイルを指定している場合は、それを明確に記載してください。学術誌が一般的なスタイルを独自に修正した形式で使用している場合は、その例または指示を提示してください。
これは特に重要です。一見すると似ている2つのスタイルでも、次の点が異なる場合があるためです。
• 著者イニシャル。
• 句読点。
• 出版年の位置。
• タイトルの大文字表記。
• 斜体。
• 号数の扱い。
• ページ範囲。
• DOIの表記方法。
• et al. の前に表示する著者数。
学術誌が説明していない特殊な資料について一貫した扱い方を決めている場合(たとえば、アーカイブ資料、データセット、未刊行の学会発表論文、視聴覚資料など)は、校正者に伝えてください。そうしないと、意図していない形に参考文献を変更される可能性があります。
6. 特別な用語や推奨する綴りを説明する
学術原稿には、専門用語、技術的表現、商標名、分野特有の綴りが頻繁に含まれます。一般的なスペルチェッカーでは誤りのように表示されるものでも、実際には完全に適切な場合があります。
変更してはいけない用語が論文に含まれている場合は、簡単なリストを提示してください。これには次のようなものが含まれる場合があります。
• 専門的な技術用語。
• 製品名または機器名。
• ラテン語またはギリシャ語の用語。
• 理論モデルの名称。
• 音訳。
• 推奨するハイフンの付け方。
• 特殊な大文字表記。
• 分野固有の略語。
用語リストは、論文や書籍などの長い文書で特に役立ちます。同じ用語について何度も確認する代わりに、校正者が用語の使用を標準化できるためです。
7. 略語の扱い方を明確にする
著者は、気づかないうちに略語を一貫性なく使用しがちです。あるセクションでは用語を完全な形で定義し、別のセクションでは最初から短縮形を使い、さらに別のセクションでは同じ概念に対して2種類の略語を使い分けていることがあります。
特定の略語が必須である場合、分野で標準的に使われている場合、または使用頻度が低くても意図的に残している場合は、校正者に知らせてください。
次の箇所で略語を使用するかどうかも指定するとよいでしょう。
• タイトル。
• 要旨。
• 見出し。
• 表。
• 図のキャプション。
• 脚注。
タイトルや要旨でほとんどの略語を禁止している学術誌もあれば、広く認知された略語を認めている学術誌もあります。明確な指示があれば、不要な書き換えを防げます。
8. 文書のどの部分を校正するかを明示する
これは、校正料金やスケジュールが語数に基づいて決まる場合に特に重要です。
特定の要素を除外する場合は、何を除外するのかを明確に示してください。例としては次のようなものがあります。
• 参考文献一覧。
• 付録。
• 補足資料。
• 表。
• 図のキャプション。
• 既発表の引用。
• 翻訳箇所。
• 謝辞。
校正者が、どの内容をそのまま残すべきか知っているとは限りません。たとえば、参考文献が語数に含まれない場合でも、明らかな書式の一貫性について確認してほしいのか、それとも一切確認しなくてよいのかを明記してください。
9. 直接引用と翻訳箇所について伝える
専門の校正者は通常、直接引用を変更することを避けます。引用文を変更すると正確性が損なわれる可能性があるためです。自分で翻訳した引用で、編集してもよいものがある場合は、明確に示してください。
次の方法で示すことができます。
• Wordファイル内のコメント。
• ハイライト。
• 原稿に添付した注記。
• 「translation mine(訳は筆者による)」などの表現。
この区別により、校正者は正確さを損なうことなく原文の引用を保持しつつ、あなた自身が翻訳した英語表現を改善できます。
10. 該当する場合は、以前の査読者または編集者のコメントを送る
査読後に原稿を修正している場合、編集者の決定通知書と査読者のコメントは、校正者にとって非常に役立ちます。
これらは、以前の読者が問題を指摘した箇所を示しており、校正者が次のような問題に集中するのに役立ちます。
• 不明瞭な英語。
• つながりの弱い文章。
• 用語の不統一。
• 書式上の問題。
• 冗長すぎる表現。
• 不明瞭な表やキャプション。
査読者への回答書をすでに作成している場合は、それも校正者が修正箇所の変更内容を明確に伝えられているか確認するのに役立ちます。
11. どの程度の介入を希望するか説明する
校正と編集は同一のサービスではありません。客観的な誤りの修正だけを求める著者もいれば、明瞭さや文体を向上させるために大幅な書き直しを期待する著者もいます。
したがって、自分の希望を説明しておくとよいでしょう。たとえば、
• 文法、スペル、句読点のみを修正する。
• 必要に応じて不自然な表現を改善する。
• 長すぎる文を短くする。
• 著者の文体を可能な限り忠実に保つ。
• 不明瞭な箇所は書き直さず、指摘する。
• ジャーナルの要件に照らして書式を確認する。
介入の程度について事前に合意しておくと、校正者はより安心して作業できます。
12. 最も気になる箇所を伝える
自分の原稿については、あなたが誰よりもよく理解しています。特に気になる部分があれば、その点を伝えてください。たとえば、考察を急いで書いた、抄録を何度も修正した、あるいは複数の資料をもとに表を作成した、といった場合です。
「Methodsにおける時制の一貫性に特に注意してください」や「Discussionの最後の2段落が明確かどうか自信がありません」のような簡潔なメモは、全体的なレビューを制限することなく、校正者に有用な方向性を示します。
13. 必要に応じて変更履歴とコメントを維持する
原稿に指導教員、共著者、査読者によるコメントや変更履歴がすでに含まれている場合は、それらを残す必要があるかどうかを校正者に伝えてください。
役立つ編集履歴は、それ以上必要でない場合を除き、削除しないでください。同様に、校正者に以下の対応を求めるかどうかも説明してください。
• 変更履歴を有効にした状態で作業する。
• まず既存の編集を承諾する。
• コメントに対応する。
• 共著者のコメントには手を加えない。
これは、複数の寄稿者が関わる大幅に改訂された原稿では、特に重要になります。
14. 簡単な概要説明で大幅な時間を節約できる
指示を何ページも書く必要はありません。原稿に添える簡潔なメモで十分な場合があります。
例:
投稿先ジャーナル:[Journal name]
英語:イギリス英語
引用スタイル:ジャーナルのハウススタイル;ガイドラインを添付
句読点:オックスフォード・コンマを推奨
参考文献:校正対象外
表とキャプション:含む
専門用語:添付の用語リストにある綴りを維持してください
変更履歴:はい
主な懸念事項:Discussionにおける明瞭さと文構造
この短い概要では、校正者が作業中に推測したり、尋ねたりする必要のある多くの疑問に答えています。
15. より良い指示がより良い校正につながる理由
詳細な指示を提供しても、校正者の専門性の価値が下がるわけではありません。その専門性をより正確に適用できるようになります。
表記の揺れが意図的なものか、特定の引用スタイルが意図されているか、専門用語を変更すべきかを判断するのに時間を費やす代わりに、校正者は原稿の改善に集中できます。
明確な指示は、不必要な変更も減らします。特定の句読点スタイルや用語を意図的に好む著者であれば、校正者がその好みを知る手段がなかったというだけの理由で、後から変更を元に戻す必要がなくなります。
結論:校正者があなたを支援するためのツールを渡す
プロの校正者は、原稿に言語に関する専門知識、編集経験、そして新たな視点をもたらしますが、最良の成果は協働から生まれます。投稿先ジャーナルの要件、言語の好み、句読点、引用スタイル、専門用語、どの程度の介入を期待しているかを明確に伝えるほど、校正者はより正確に作業できます。
この情報の提供は、複雑である必要はありません。学術誌のリンク、いくつかの参考論文、短い指示メモだけで十分な場合もあります。わずか数分の準備で誤解を防ぎ、校正作業を迅速化し、あなたの意図と学術出版の基準の両方をより正確に反映した最終文書を作成できます。
要するに、校正者に推測させないことです。必要な情報を伝えれば、校正者は本来の仕事、つまり研究内容を可能な限り明確で一貫性があり、専門的に伝えることに集中できます。
当社の編集・校正サービスを選ぶ理由
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