概要
効果的な校正は、細部と文書全体の両方を検討する必要があるため、学術執筆の中でも最も難しい段階の一つです。 優れた校正者は、文法、スペル、句読点、構文、用語、参考文献、書式設定、体裁に関する誤りを見つけると同時に、著者の意図が明確で論理的に整理されているかも判断しなければなりません。自分の文章を校正する場合は、文章に慣れているため誤りを見落としやすく、特に難しい課題となります。一方、他人の文章を校正する場合は、著者固有の声を尊重し、配慮しながら、慎重に変更を控える必要があります。
このガイドでは、自分の論文、学位論文、学術誌論文、研究論文を見直す場合でも、他の著者が書いた資料を校正する場合でも、学術文書を体系的に校正する方法を説明します。校正と書き直しの違い、複数回に分けて焦点を絞って確認する方法、文書の一貫性や学術誌・大学のガイドラインを確認する方法、参考文献や書式設定への対処、直接修正するのではなくコメントを残すべきタイミングについて扱います。
中心となる原則は単純です。校正とは、著者が伝えようとしている内容を変えずに、文書の正確性、一貫性、読みやすさを高める作業です。 自分の文章を校正するときは、文章から距離を置き、体系的なチェックリストを使うことで、慣れによって見落としがちな誤りに気づきやすくなります。他人の文章を校正するときは、通常、必要最小限の変更にとどめ、不確かな点や重大な問題はコメントで説明し、自分の文体を不必要に押しつけないことが、最も安全で専門的な対応です。
校正を、急いで最後に一度読み返す作業ではなく、個別の確認を意図的な順序で行うものとして取り組むことで、著者や編集者はより多くの誤りを見つけ、洗練され、信頼性があり、審査、査読、出版の準備が整った学術文書を作成できます。
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自分や他人のために学術文書を校正する方法
はじめに:効果的な校正が非常に難しい理由
複雑な学術文書や専門文書を効果的に校正することは非常に困難ですが、校正を成功させる方法に関する実用的な助言は、校正が重要である理由や、校正を怠ると何が起こり得るかについての議論に比べて、注目されることがはるかに少ないのが実情です。
学術文書は、高度な考えと専門用語、参考文献、表、図、統計情報、略語、詳細な書式要件が組み合わさるため、特に難易度が高くなります。学術誌の論文は、専門分野の慣例、出版社の厳密な指示、査読者の期待を同時に満たす必要がある場合があります。学位論文や博士論文は、章の順序や見出しのレベルから、余白、ページ番号、引用形式に至るまで、大学の規定に従わなければならない場合があります。
したがって、優れた校正には、綴りが正しいだけでは到底足りません。知性、洞察力、忍耐力、繊細さ、客観性、正確さ、柔軟性、識別力、粘り強さ、卓越した言語能力、細部と全体像の双方に目を配る力、そして注意深く批判的に読む姿勢が求められます。
これらの資質の多くを備え、自分の文章にそれらを活かす時間と意欲を持つ著者もいます。しかし、非常に有能な書き手であっても、自分で書いた原稿を校正する際には、根本的な不利を抱えます。文章が本来何を言うはずなのかをすでに知っているからです。人間の心は、欠落した語を自然に補い、繰り返された語句を見落とし、ページ上に実際に書かれている言葉ではなく、著者が意図した意味に基づいて曖昧な文を解釈しがちです。
このため、専門的な学術校正は非常に価値があります。新しい読者は、著者本人とは異なり、文書の作成者としてではなく読者として文書に接するため、著者には見えなくなっていた問題にも気づくことができます。
1. 校正とは何か、何ではないかを理解する
始める前に、校正と、より大幅な編集や書き直しを区別することが重要です。両者の境界が重なることはありますが、校正の基本的な目的は、著者の意味、構成、文体を保ちながら、誤りを特定して修正することです。
校正者は通常、次のような事項を確認します。
- 文法および文の構成。
- 綴りおよび誤植。
- 句読点。
- 大文字の使用。
- 用法が明らかに誤っている場合の語句の選択。
- 用語および略語の一貫性。
- 数値および日付の形式。
- 見出しおよび小見出し。
- 引用および参考文献の表記。
- 表、図、キャプション。
- 間隔、フォント、レイアウト、および
- 学術誌、大学、出版社の要件への準拠。
校正者は、議論の構成を自動的に組み替えたり、新しい考えを加えたり、自分なら別の表現にするというだけの理由で大部分を書き直したり、著者の学術的な立場を変えたりしてはいけません。そうした作業は、実質的な編集や書き直しに近づいていきます。
この区別は、他人が書いた文書を校正するときに特に重要になります。文書は著者のものです。校正者の役割は、著者が意図した意味が正確かつ専門的に伝わるのを妨げる障害を取り除くことであり、その意味を校正者自身のものに置き換えることではありません。
2. 自分の学術的文章を校正する
自分の文章を校正する場合は、はるかに自由に手を入れられます。自分自身が著者でもあるため、段落を書き直したり、考えの順序を変えたり、用語を変更したり、不要な内容を削除したりできるからです。難しさは別のところにあります。文章に慣れすぎているのです。
論文の章や研究論文を書き続けて数週間、あるいは数か月経つと、脳はその文を覚えてしまいます。単語一つひとつを注意深く解釈する代わりに、目にするはずだと思っている内容を認識するようになります。そのため、見慣れた誤りは驚くほど見つけにくくなります。
校正の前に距離を置く
可能であれば、校正する前に文書を少なくとも短い期間、そのままにしておきましょう。1日空けるだけでも役立ちますが、重要な作業なら数日空けるとさらに効果的です。休憩を挟んで原稿に戻ると、著者としてではなく、読者に近い視点で取り組めるようになります。
文章の見た目を変えることで、さらに距離を置くことができます。フォントサイズを大きくする、ページのズーム倍率を変える、文書を印刷する、コンピューターではなくタブレットで読む、または一時的に別の読みやすいフォントに切り替える、といった方法を試してください。単語そのものは変わりませんが、見慣れない見た目にすることで、誤りに気づきやすくなります。
自然に読むのではなく、ゆっくり読む
普段の読書では、速さと理解が重視されます。校正には、ほぼ正反対の姿勢が必要です。意識的に読む速度を落とし、実際に書かれている内容を吟味してください。
音読は特に効果的です。すべての単語に目を通すことになるため、抜けている単語、不自然な表現、同じ言葉の繰り返し、長すぎる文に気づきやすくなります。文を音読していてつまずくなら、読者もその文で苦労するかもしれません。
もう一つの有用な方法は、定規、白紙、または画面上のポインターを使って、一度に1行ずつ追うことです。これにより、先を流し読みしたくなる誘惑を抑えられます。
3. すべてを一度に確認しようとしない
校正で最も大きな誤りの一つは、一度の読みで起こり得るすべての問題を見つけようとすることです。人間の注意力には限界があります。論旨と意味に集中していると、ハイフンの使い方の不統一に気づきにくくなります。参考文献を確認していると、本文中の句読点の誤りが見えなくなることがあります。
より信頼性の高い方法は、複数回に分けて校正することです。各回で異なる種類の問題に集中します。
- 全体的な明確さと論理の流れを確認します。
- 文法と文の構造を確認します。
- スペル、句読点、入力ミスを確認します。
- 用語、略語、数字、大文字の使い方を確認します。
- 引用と参考文献を確認します。
- 見出し、表、図、相互参照を確認します。
- 書式と外部ガイドラインへの準拠を確認します。
- すべての修正が終わったら、最後に文章全体を通して丁寧に読み直します。
この方法は遅く見えるかもしれませんが、通常ははるかに効率的です。各回の確認に明確な目的があるためです。また、ある問題を修正したことで別の問題を見落とす可能性も減ります。
4. 意味と文レベルの明確さから始める
コンマや斜体に集中する前に、文章が実際に意図した意味を伝えているかを確認します。学術文書が不必要に難解になることが多いのは、著者が一つの文に多くの考えを詰め込み、曖昧な代名詞に頼ったり、十分な説明なしに専門用語を使ったりするためです。
次のような文を探します。
- 複数の独立した考えが含まれており、分割するとよい。
- “this”、“it”、“they”などの代名詞に、明確な指示対象がない。
- 修飾語の位置が不適切である。
- 過去形と現在形が予期せず切り替わっている。
- 用語の使い方に一貫性がない。
- 同じ情報を不必要に繰り返している。または
- 複数の意味に合理的に解釈できる表現が含まれている。
自分の文章を校正する場合は、これらの問題を解決するために自由に書き直せます。しかし、他の著者の文章を校正する場合は、慎重さが不可欠です。意図された意味が不明確な場合は、推測して意味を変えてしまうよりも、通常は著者に明確化を求めるコメントを追加するほうが適切です。
5. 文法・スペル・句読点は別々に確認する
意味が明確になったら、技術用語に関する誤りを注意深く確認します。学術文書でよく見られる文法上の誤りには、主語と動詞の一致、動詞形の誤り、冠詞、前置詞、名詞の単数形・複数形、修飾語の位置、未完結の文などがあります。
綴りの確認には、スペルチェッカーを実行するだけでは不十分です。自動ツールは、正しく綴られた単語が誤って使われている場合、たとえば「from」の代わりに「form」、「principal」の代わりに「principle」、「effect」の代わりに「affect」が使われていても特定できません。また、正当な専門用語、著者名、専門的な略語を誤って指摘することもあります。
句読点についても、独立した入念な確認を行うべきです。コンマ、セミコロン、コロン、アポストロフィ、引用符、丸括弧、角括弧、ハイフン、ダッシュを確認してください。学術文書には複雑な文、括弧内の引用、専門的な表現が頻繁に登場するため、句読点の不統一はすぐに積み重なります。
引用の前後の句読点には、特に注意を払う必要があります。参照方式によって、ピリオド、コンマ、括弧の位置は異なるため、原稿全体で指定された方式を一貫して守らなければなりません。
6. 一貫性の確認は校正者の最も重要な責務の一つ
原稿には、それぞれ単独では許容できる表記が複数含まれていることがありますが、それらが一貫性なく使われていると、全体がプロフェッショナルでない印象になります。たとえば、ある章では「decision-making」、別の章では「decision making」と書いたり、一部の参考文献では「Figure」と完全に表記し、別の箇所では省略したり、「organisation」と「organization」を交互に使ったりする場合です。
文書全体を通して、次の項目の一貫性を確認する必要があります。
- イギリス式またはアメリカ式の綴り。
- 専門用語。
- 大文字の使用。
- ハイフンの使用。
- 略語と頭字語。
- 数値、パーセンテージ、単位。
- 日付と範囲。
- 引用符。
- 見出しのスタイル。
- 引用および参考文献の書式。
博士論文のような長い文書では、簡単なスタイルシートを作成しておくと非常に役立ちます。判断を下すたびに、たとえば「イギリス英語」「形容詞として使う場合はdecision-making」「Figureは省略せずに表記」「本文ではper cent、表では%」のように記録しておきましょう。こうすれば、同じ選択について何度も考え直す必要がなくなり、数百ページにわたって一貫性を保ちやすくなります。
7. 関連するガイドラインを必ず確認する
ほぼすべての学術・科学文書は、分野固有の慣例に従う必要があり、多くの場合、非常に厳密な外部要件も満たさなければなりません。学術誌に投稿する論文は、その雑誌の執筆要領に従う必要があります。博士論文は、大学または学部・研究科の規定に準拠しなければなりません。学会発表論文、助成金申請書、技術報告書には、それぞれ独自のテンプレートがある場合があります。
したがって、校正方法についての真剣な助言には、次の重要な原則を必ず含めるべきです。ガイドラインを注意深く読み、最終校正の段階でもう一度確認すること。
試みがなされているからといって、著者がそれらを正しく適用したと決めつけてはいけません。同様に、自分の文書を校正するときも、数週間前に読んだ指示を記憶だけで信頼してはいけません。
次の要件を確認する:
- 文書と各セクションの順序。
- タイトルとタイトルページの情報。
- 要旨の長さと構成。
- 見出しの階層。
- 語数制限。
- フォントサイズと書体。
- 行間と余白。
- 図と表の体裁。
- 引用および参考文献のスタイル。
- 倫理に関する申告。
- 研究資金および利益相反に関する声明。および
- 補足資料。
文書の文法が非常に優れていても、投稿要件に準拠していないという理由で学術誌から返却されることがある。したがって、校閲では言語だけでなく、文書の形式的な体裁にも対応しなければならない。
8. 引用と参考文献を校閲する
参考文献は、学術文書の中でも特に細部の確認を要する部分である。著者は原稿に正しい出典を入れることに主眼を置きがちだが、校閲者は、それらの出典が指定されたスタイルに正確に従って提示されているかを確認しなければならない。
これには、参考文献が「正しく見える」かどうかを確認する以上の作業が含まれる。スタイルによっては、次のような詳細を確認する必要がある。
- 著者名の順序と句読点。
- イニシャルの使用。
- 出版年の配置。
- 論文名、書籍名、学術誌名の大文字・小文字の使い分け。
- イタリック体とローマン体。
- 巻号。
- ページ範囲。
- DOIとURL。
- アクセス日。および
- 参考文献リストの項目が正しい順序になっていること。
また、参考文献リストと本文中の引用を照合する必要がある。原稿中で引用されたすべての出典は通常、参考文献リストにも記載され、参考文献リストのすべての項目も通常、本文中のどこかで引用されていなければならない。大幅な改訂後には、参考文献リストが適宜更新されないまま引用が追加、削除、移動されることがあるため、不一致はよく起こる。
文献管理ソフトウェアを使えば手作業を減らせるが、決して完全に信頼できるとは考えてはならない。インポートしたメタデータには、誤った大文字・小文字、欠落したページ番号、不統一な学術誌名、不正確な出版情報が含まれていることがある。そのため、自動生成された出力には人による確認が必要である。
9. 表、図、および本文との関係を確認する
表や図は通常の読み合わせでは見落としやすい誤りが含まれるため、専用の校閲を行う価値がある。すべてのタイトル、キャプション、軸ラベル、列見出し、注記、略語、統計記号を確認する。
次の点を確認する:
- すべての表と図に正しく番号が付けられている。
- すべてが本文中で言及されている。
- 番号の順序が初出の順序と一致している。
- 本文中の数値が表や図の数値と一致している。
- 必要な箇所で略語が説明されている。
- 単位が一貫して表記されている。
- キャプションが内容を正確に説明している。および
- 書式が学術誌または大学のガイドラインに準拠している。
相互参照は、長い文書では特に重要です。「4.2節を参照」「表6に示すとおり」「第3章で論じたように」といった表現は、改訂中に節が移動したり番号が振り直されたりすると不正確になることがあります。
10. 他の著者が執筆した文書の校正
他人の文章を校正するには、自分の文章を校正する場合とは異なる心構えが必要です。あなたは論旨の所有者ではなく、文が曖昧なときに著者の意図を正確に理解できるとは限りません。
したがって、どの程度変更するかという問題が常に生じます。プロの校正では、ほとんどすべての状況における答えは次のとおりです。本当に修正が必要な箇所を直しつつ、変更はできるだけ少なくする。
著者の文章は、誤りではなくても、あなたの好む文体とは異なることがあります。長い文でも、文法的に完全に正しく、明確である場合があります。あなたなら個人的に選ばない語でも、著者の分野では標準的な用語かもしれません。受動態の構文も、意図的で適切な場合があります。
したがって、プロの校正者は次の点を区別しなければなりません。
- 客観的に誤っているもの。
- 不明確、または誤解を招くおそれのあるもの。
- 求められる文体上の規則に反するもの。および
- 単に個人的な好みと異なるもの。
通常、修正が正当化されるのは最初の3つのカテゴリーだけです。
著者の学術的な文体を尊重する
正式な学術文書の慣例の中でも、学術執筆者にはそれぞれ固有の文体があります。簡潔な文を好む人もいれば、より複雑な構文を組み立てる人もいます。第一人称を頻繁に用いる分野もあれば、非人称構文を今なお好む分野もあります。専門用語を多用する分野もあれば、論述を物語的に展開する分野もあります。
プロの校正者は、こうした違いを画一化することなく、明確さを高めるべきです。すべての原稿を同じ編集者が書いたかのような文体にすることが目的ではありません。
11. 修正するのではなくコメントすべき場合を知る
校正者が潜在的な問題を見つけたものの、著者の確認なしには自信を持って修正できない場合、コメントは不可欠です。
例えば、1つの文に2通りの意味が考えられる場合があります。統計値が表と一致していないように見えることもあります。参考文献が不完全な場合もあります。段落が先に述べた主張と矛盾しているように見えることもあります。このような状況で、本文を黙って変更すると誤りを招くおそれがあります。
建設的なコメントの例:
「ここでは『増加』でよいか確認してください。表4では18.2%から15.7%への減少を示しているようです。」
または:
「この文の意味が不明確です。介入は両方のグループに影響を与えたという意味ですか、それとも実験群だけですか?」
コメントは簡潔で、中立的かつ役立つものであるべきです。著者個人を批判することなく、問題点を説明してください。
12. 変更履歴を慎重に使う
他の著者の文書を校正する場合、通常は変更履歴を使用して修正を示すのが最も安全です。著者は、すべての修正を確認し、承認または却下できます。
ただし、不要な変更が多すぎると、変更履歴は読みにくくなります。これは、本当に必要でない文体上の書き換えを避けるべきもう一つの理由です。
プロの校正者は、変更履歴を反映した後の最終文書も確認すべきです。変更を反映すると、まれにスペースの誤りや句読点の重複が生じたり、複数の編集が交差した箇所に不自然な断片が残ったりすることがあります。そのため、最終的な入念な確認が不可欠です。
13. デジタルツールは権威ではなく補助として使う
最新のワープロソフトや専門ツールは、校正を支援できます。スペルチェッカーは明らかな入力ミスを特定し、検索機能は繰り返し使われている用語を明らかにし、参考文献管理ソフトは引用文献の整理に役立ち、文書比較ツールはバージョン間の違いを特定できます。
これらのテクノロジーは便利ですが、慎重な人間の判断に取って代わることはできません。自動化されたツールには、次のような問題があります。
- 文法上必要のない変更を勧める。
- 技術用語を誤解する。
- 専門的な記述の意味を変えてしまう。
- 分野固有の慣例を認識できない。
- 正しく綴られているものの、文脈上は誤っている単語を見逃す。または
- 著者の自然な文体を損なう過剰な書き換えを促す。
これは生成AIツールを利用する場合に特に重要です。AIに関する大学や出版社の方針は大きく異なるうえ、原稿には機密性の高い研究、未発表の研究、または商業上機微な研究が含まれている可能性があります。そのため、著者や編集者は、学術資料を外部のAIシステムにアップロードする前に、所属機関と出版社の方針を確認すべきです。
重要な学術文書では、人による校正によって、自動化されたシステムでは確実に提供できないもの、つまり文脈に基づく判断と説明責任の組み合わせが得られます。
14. 自分にありがちな誤りを体系的に検索する
すべての執筆者には、繰り返し現れる弱点があります。ある著者は、いつも「from」の代わりに「form」と入力するかもしれません。また、コンマを多用したり、同じ専門用語の2通りの綴りを使い分けたりすることもあります。自分特有のパターンを把握したら、それを有効に活用しましょう。
個人的な誤りリストを短く作成し、各プロジェクトの最後に、その問題を具体的に検索します。検索には次のような語句を含めるとよいでしょう:
- 二重スペース。
- 句読点の前のスペース。
- 重要な用語の異なる綴り。
- 展開すべき一般的な短縮形。
- 説明のない略語。
- ハイフンで結ばれた複合語の表記の不統一。
- 「..」や「,,」などの句読点の重複、および
- 「XXX」「TBC」「REFERENCE」などの一時的な草稿用マーカー。
長い文書を電子的に検索して既知の誤りのパターンを探すほうが、通常の読書中に気づくことを期待するよりも、確実な場合がよくあります。
15. 最小の細部から全体像へ、そして再び細部へと校正する
適切な校正では、ミクロレベルとマクロレベルの注意を意識的に切り替えます。ミクロレベルでは、個々の文字、句読点、スペース、数字、単語を確認します。マクロレベルでは、各セクションが正しい順序で並んでいるか、見出しが論理的な階層を形成しているか、全体の構成に一貫性があるかを確認します。
この二重の視点は、学位論文や長大な研究報告書では特に重要です。文に誤りがなくても、章タイトルが統一されていなかったり、ページ番号が欠落していたり、表が表一覧と対応していなかったりすることがあります。
最終提出前に、文書全体を目視で確認します。すべての語を読むのではなく、ページをすばやくスクロールしながら確認します。不自然な空白、見出し間隔の不統一、余白からはみ出している表、ページ下部に単独で残った見出し、フォントや段落間隔の急激な変化がないかを確認します。
16. 書式設定後に最終確認を行う
書式設定自体が誤りを引き起こすことがあります。Word文書をPDFに変換すると、改ページやフォントが変わる場合があります。表を移動すると、表題から離れてしまうことがあります。テンプレートを適用すると、インデントや見出し間隔に影響する可能性があります。参考文献がページをまたいで不自然に折り返されることもあります。
そのため、最終校正段階では、作業文書だけでなく、実際に投稿するバージョンを必ず確認してください。
最終成果物がPDFの場合は、PDFを校正します。雑誌投稿システムがアップロードした複数のファイルから結合PDFを生成する場合は、投稿を承認する前に、その生成されたファイルをダウンロードして確認します。
- タイトルと著者情報は正確です。
- 見出しは所定の階層に従っています。
- 文法、綴り、句読点を確認済みです。
- 用語と略語は統一されています。
- 数値、単位、統計記号は正確です。
- すべての引用は参考文献リストの項目と一致しています。
- 表と図には番号が付され、正しく参照されています。
- 相互参照は正確です。
- 必要な申告が記載されています。
- 書式が関連するガイドラインに従っている。
- コメント、下書きメモ、未解決のマーカーが削除されている。
- 完成した最終ファイルを、最後に中断せず一通り読み終えている。
17. 専門家による校正を依頼する価値がある場合
著者が自分の学術文書を校正することはもちろん可能であり、確かな自己校正能力を身につけることは非常に価値があります。しかし、独立した専門家の読者が特に大きな利点をもたらす状況もあります。
専門家による校正が特に役立つのは、次のような場合です。
- 文書が博士論文または学位論文である場合。
- 原稿を競争率の高い学術誌に投稿する場合。
- 英語が著者の母語でない場合。
- 著者がその文書に長期間取り組んできたため、誤りに気づきにくくなっている場合。
- 出版社や大学の厳格な要件に従わなければならない場合。
- 文書に複雑な参考文献、表、または専門用語が含まれている場合、あるいは
- 締め切りが重要で、その後に修正する機会がほとんどない場合。
専門の校正者は、著者自身では完全に再現できない独立した「第二の目」を提供します。最大の価値は、目立つ重大な誤りを直すことではなく、積み重なることで文書が洗練され、専門的に見えるかどうかを左右する、何十、何百もの小さな問題を見つけることにある場合が多いのです。
結論
学術文書の校正を成功させるには、単純にスペルミスを探すのではなく、知的な作業として取り組む必要があります。言語、意味、一貫性、参考文献、書式、専門分野の慣例、外部要件に細心の注意を払わなければなりません。
自分の文章を校正する際の中心的な課題は、文章への慣れを克服することです。テキストから距離を置き、ゆっくり読み、校正作業を複数の段階に分け、最後に一度読むだけに頼らず、体系的なチェックリストを使いましょう。他の著者の文書を校正する場合も、節度が同じように重要です。明らかな誤りを修正し、必要な箇所を明確にし、著者固有の文体を保ち、意図された意味が不確かな場合はコメントを使いましょう。
何よりも、校正は体系的に行うべきです。まず全体構成を確認し、次に文、最後に個々の細部を確認します。参考文献と図表は別途検証し、原稿を投稿先の学術誌や大学のガイドラインと照合し、提出前に最終的な書式設定済みの版を確認します。
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