概要
Microsoft Wordの見出しスタイルは、学術著者が複雑な原稿を一貫して整理・書式設定するための強力な手段です。章タイトル、セクション見出し、サブセクション見出しのフォント、サイズ、強調、間隔を一つずつ手作業で変更する代わりに、研究者はWordに組み込まれた「見出し1」、「見出し2」、「見出し3」などのスタイルを割り当てられます。その後、各レベルを一元的に変更できるため、文書全体の該当する見出しが自動的に更新されます。
このガイドでは、学術論文、学位論文、博士論文、書籍、研究報告書のために、論理的な見出し階層を設計する方法を説明します。見出しスタイルの割り当て、外観の変更、間隔と改ページの制御、番号付き見出しの作成、一般的な書式設定ミスの回避について解説します。また、見出しをページ上でどのように見せるかを決める前に、その見出しの構造上の役割を定めるべき理由についても説明します。
見出しスタイルを使うメリットは、見た目を統一できることだけではありません。Wordでは、正しく割り当てられた見出しを使ってナビゲーションウィンドウを作成したり、自動目次を生成したり、長い原稿内を移動・再編成したりできます。したがって、慎重に設計された見出しシステムは、執筆と最終的な書式設定の両方を大幅に効率化できます。
それでも学術著者は、学術誌、出版社、大学の要件を厳密に守るべきです。見出しのレベル数、番号付けの方式、大文字・小文字の使い分け、フォントの処理、間隔などが指定されている場合があります。そうした要件をWordの構造化ツールと慎重な最終校正に組み合わせることで、研究者は専門的で論理的に整理され、ナビゲーションしやすく、改訂もはるかに容易な原稿を作成できます。
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Microsoft Wordで学術原稿の見出しを設計する
序論:学術著者がWordの見出しスタイルを使うべき理由
Microsoft Wordは、学術論文、学位論文、博士論文、学術書、研究報告書の執筆に今なお最も広く使われているプログラムの一つです。しかし、多くの研究者はその機能のごく一部しか利用していません。テキストの入力、編集、書式設定は問題なく行えても、見出しなどの構造要素については手作業で書式設定することが少なくありません。
この方法は、見出しがほんの数個しかない短い文書であれば、対応できるかもしれません。しかし、300ページの博士論文では、すべての章タイトル、セクション見出し、サブセクション見出しを手作業で書式設定するのは、非常に非効率になり得ます。小さな不統一も避けられません。ある見出しは11ポイントではなく12ポイントになり、別の見出しには余分な空行が入り、さらに別の見出しは斜体にすべきところが太字になっている、といった具合です。
Wordに組み込まれている見出しスタイルは、はるかに優れた解決策です。見出し1、見出し2、見出し3以降のレベルを使うことで、著者は原稿の構造的な階層を示し、各レベルの外観を一元的に管理できます。
その結果、単に文書の見た目がよくなるだけではありません。見出しスタイルを正しく適用すると、Wordは原稿の構成を認識できるようになります。そのため、文書内を効率的に移動したり、自動目次を作成したり、番号付きセクションを管理したり、原稿全体の書式を数秒で修正したりできます。
1. 見出しスタイルの実際の役割を理解する
理解しておくべき最も重要な点は、Wordの見出しスタイルには、関連しているものの異なる2つの機能があるということです。
第一に、見出しの構造上のレベルを示します。見出し1は見出し2より上位のレベルを表し、見出し2は見出し3より上位に位置し、以下同様です。
次に、スタイルはその見出しの視覚的な外観を制御します。これにはフォント、サイズ、強調、間隔、配置が含まれます。
この2つの機能を混同してはいけません。特定のWord文書で最初に「大きな青い文字」として表示されていたとしても、見出し1が本質的にそのような意味を持つわけではありません。構造上の機能を保ったまま、視覚的なデザインを変更できます。
2. まず見出しの階層を計画する
書式を設定する前に、原稿に実際に必要なレベル数を決めてください。
博士論文では、次のように設定することがあります。
- 見出し1:章見出し。
- 見出し2:章内の主要セクション。
- 見出し3:下位区分。
- 見出し4:必要に応じて設ける下位区分。
学術論文では、次の程度で十分な場合があります。
- 見出し1:序論、方法、結果、考察などの主要セクション。
- 見出し2:主要セクション内の下位区分。
- 見出し3:必要に応じて設ける下位区分。
階層は原稿の知的な構成を反映するものでなければなりません。見出しを少し違って見せたいという理由だけで、別のレベルを作らないでください。
3. 学術誌または大学の要件を確認する
フォントサイズ、番号付け、大文字・小文字の使い分けを決める前に、関連する指示を確認してください。
大学では、章見出しを14ポイントの太字、節見出しを12ポイントの太字、項見出しを12ポイントの斜体にするよう指定される場合があります。学術誌では、番号を付けない3段階の見出しと、文頭のみ大文字にする表記を求められることがあります。出版社が独自の体系を定めている場合もあります。
次の要件を確認します。
- 使用できる見出しレベルの数;
- フォントとフォントサイズ;
- 太字と斜体の設定;
- 大文字・小文字の使い方。
- 番号。
- 配置。
- 見出しの前後の間隔;
- 章を新しいページから始める必要があるかどうか。
最初からスタイルを正しく設計しておくと、後でかなりの時間を節約できます。
4. 章タイトルに「見出し1」を適用する
論文で章見出しに14ポイントの太字を使用する必要があるとします。
まず、最初の章のタイトルを通常どおり入力します。
第1章:序論
見出し全体を選択し、Wordの「ホーム」タブにある「スタイル」ギャラリーから見出し1を選択します。
見出しには、Wordで現在設定されている「見出し1」の書式が適用されます。要件に合わない場合は、「見出し1」スタイルを右クリックして変更を選択します。
その後、次の項目を設定できます。
- 指定されたフォント;
- 14ポイントのサイズ;
- 太字書式;
- 文字色。
- 配置。
- 段落間隔。
変更を確定すると、「見出し1」が割り当てられたすべてのテキストに変更後のデザインが適用されます。
5. メインセクションに「見出し2」を適用する
同じ手順を2番目の見出しレベルにも使用できます。メインセクションを12ポイントの太字にするとします。
次のようなセクション見出しを選択します。
研究の背景
見出し2を適用し、必要な12ポイントの太字書式に合うよう「見出し2」を変更します。
同じ構造上の位置付けを持つすべての見出しに「見出し2」を適用します。
例えば:
- 研究の背景
- 研究課題
- 研究目的
- 研究上の問い
これらのセクションがすべて同じ章の直接的な下位区分である場合、通常は同じ見出しレベルを使用します。
6. サブセクションに「見出し3」を適用する
サブセクションには「見出し3」を使用できます。ガイドラインで12ポイントの斜体が指定されている場合は、それに合わせて「見出し3」を変更します。
結果として、構造は概念的に次のようになります。
- 第2章:文献レビュー – 見出し1
- 先行研究 – 見出し2
- 英国の研究 – 見出し3
- ヨーロッパ大陸の研究 – 見出し3
- 研究上の空白 – 見出し2
視覚的な階層が、概念上の階層を反映するようになりました。
7. 追加の見出しレベルは控えめに使用する
Wordでは「見出し4」、「見出し5」以降のレベルも使用できますが、学術原稿ですべてを使用すべきという意味ではありません。
細かく分けすぎると、文書が読みにくくなる場合があります。短い段落が1つだけ含まれるサブセクションには、独自の見出しが必要ないこともあります。
一般原則として、原稿の構成を明確にするために必要な最小限の見出しレベルを使用します。
8. 手動書式設定よりスタイルが優れている理由
書式設定の要件が変わったときに、スタイルの最大の利点が明らかになります。
博士論文に第2レベル見出しが100個あるとします。すると、所属学部からすべての第2レベル見出しを12ポイントの太字から11ポイントの太字に変更するよう求められました。
見出しを手動で書式設定していた場合は、100個すべてを個別に見つけて変更しなければならないことがあります。
第2レベル見出しを正しく使用していれば、第2レベル見出しを一度変更するだけで済みます。Wordが原稿全体のすべての第2レベル見出しを自動的に更新します。
この原則は次の項目に適用されます:
- フォントサイズ。
- フォントファミリー。
- 太字または斜体。
- 文字色。
- 配置。
- 行間。
- 見出しの前後の間隔。
9. スタイルで見出しの間隔を設定する
見出しの上下に余白を追加するためにEnterキーを何度も押すのは、よくある書式設定上の誤りです。
これにより間隔が不統一になり、文書の編集時に意図しない空白が生じることがあります。
代わりに、見出しスタイルに関連付けられた段落設定を使用してください。例えば、次のように指定できます:
- 第2レベル見出しの前を18ポイントにする。
- 第2レベル見出しの後を6ポイントにする。
- 見出し自体の行間を1行にする。
これにより、すべての第2レベル見出しで間隔がまったく同じになります。
10. スタイルを適用した見出しを個別に手動変更しない
見出しのスタイルを適用したら、特別な理由がない限り、個々の見出しを手動で変更するのは避けてください。
ある第2レベル見出しが12ポイントの太字、別の見出しが13ポイントの太字、さらに別の見出しが12ポイントの斜体だと、読者は階層を確実に認識できなくなります。
ある見出しだけ異なる見た目にする必要があると感じたら、それは実際には別の構造レベルに属するのではないかを検討してください。
11. 大文字の使い方を統一する
見出しの一貫性には、大文字の使い方も関係します。学術的なスタイルでは、一般にタイトルケースまたは文頭のみ大文字のいずれかを使用します。
タイトルケース: 「データ収集に用いた方法」
文頭のみ大文字: 「データ収集に用いた方法」
学術誌または大学の要件に従い、一貫して適用してください。個々の見出しが執筆プロセスの異なる段階で入力されたというだけで、方式を交互に使わないでください。
12. 見出しの文法構造をそろえる
同じレベルの見出しは、似た文法構造を用いると読みやすくなります。
例えば:
- 参加者の募集
- データを収集する
- 結果を分析する
次の表現よりも一貫しています:
- 参加者の募集
- データ収集
- 結果の分析方法
表現をそろえると、原稿全体がより意図的で専門的な構成になります。
13. 簡潔でありながら情報を含む見出しにする
見出しは、文のような長さの要約になることなく、これから何が述べられるのかを読者に伝えるべきです。
比較:
同時に、手がかりがほとんど得られないほど曖昧な見出しは避けてください。「分析」よりも「インタビューのテーマ分析」のほうが役立つ場合があります。
14. ナビゲーション ウィンドウを使用する
見出しスタイルを正しく適用することで得られる最も便利な効果の一つは、Word が原稿をナビゲーション ウィンドウにアウトラインとして表示できることです。
ウィンドウには、見出し 1、見出し 2、見出し 3、およびそれより下位のレベルが階層関係に従って表示されます。見出しをクリックすると、文書内の該当箇所に直接移動できます。
300ページの博士論文であれば、文書をスクロールしたり、セクションのタイトルを何度も検索したりするより、かなり速く確認できます。
ナビゲーション ウィンドウは、診断ツールとしても優れています。小見出しが章と同じレベルに表示されている場合は、誤った見出しスタイルが適用されている可能性があります。
15. 見出しだけを読んで原稿を確認する
見出しスタイルを設定したら、ナビゲーション ウィンドウを使って本文を読まずに見出しを確認します。
見出しだけを見て、筋の通った論証や構成がわかるか確認します。
次の点を確認します。
論証の段階が欠けていること;論理的でない順序で並んでいるセクション;階層上のレベルが不適切な見出し;細分化が多すぎる章;本質的に同じ内容を繰り返す見出し;用語や表現の不統一。見出しだけで論理的なアウトラインが形成されているなら、原稿自体もよく整理されている可能性が高いです。アウトラインが断片的に見える場合は、詳細な書式設定に時間をかける前に、構成を組み直す必要があるかもしれません。
16. 自動目次を作成する
論文、学位論文、書籍、長い報告書では、Word の見出しスタイルの非常に重要な利点の一つが、自動的に目次を作成できることです。
Word は割り当てられたレベルに従って見出しを識別し、次の要素を自動的に挿入できます。
- 章タイトル。
- セクション見出し。
- 小見出し。
- 対応するページ番号。
- 各レベルに適したインデント。
これは、目次を手入力するよりはるかに安全です。改訂中はセクションが移動し、ページ番号も頻繁に変わります。そのため、手作業で作成した目次はすぐに不正確になる可能性があります。
自動作成した目次なら、変更後に目次全体を更新できます。
17. 目次に含める見出しレベルの数を決める
論文で 4 つの見出しレベルを使用しているからといって、必ずしも 4 つすべてを目次に表示する必要はありません。
非常に詳細な目次は、使いにくくなることがあります。次のように表示したほうが役立つ場合があります。
- 見出し 1;
- 見出し 2;
- 見出し 3;
目次には見出し 4 を含めないようにします。
所属機関の要件を確認してください。ただし、目次の目的はナビゲーションであることを忘れないでください。詳細であれば常に役立つとは限りません。
18. 必要に応じて自動アウトライン番号を使用する
多くの論文や技術文書では、次のような番号付き見出しが使われます。
- 1 はじめに
- 1.1 背景
- 1.2 研究目的
- 1.2.1 主目的
- 1.2.2 副次的な目的
これらの番号を手入力すると、セクションの移動、追加、削除時に深刻な問題が生じる可能性があります。新しいセクション 1.2 を挿入すると、それ以降のすべての番号を修正しなければならない場合があります。
Word のアウトライン番号の機能は、「見出し 1」「見出し 2」「見出し 3」以降のスタイルにリンクできるため、番号が自動的に更新されます。
正しく設定されていれば、「見出し 2」のセクションを移動すると、Word がその番号と関連する下位セクションの番号を自動的に再計算します。
これは、指導教員や審査員からセクション全体の並べ替えを求められる可能性がある、論文の大幅な改訂時に特に役立ちます。
19. 必要でない限り番号を付けない
自動番号付けは強力ですが、Word にその機能があるというだけの理由で使うべきではありません。多くの科学誌の論文では番号なしの見出しが使われ、一部の大学のスタイルでは章番号は必要でも、節番号は必要とされません。
対象となる出版物や所属機関の規則に従ってください。見出しのデザインは文書のためにあるのであって、Word で利用できる書式機能をすべて示すためのものではありません。
20. 見出しを後に続く本文と同じページに置く
ページ下部に見出しだけが残り、そのセクションの最初の段落が次のページから始まる状態は、見た目が悪く、読者の流れを妨げます。
Word の段落設定には次の段落と分離しないオプションがあり、この問題の防止に役立ちます。見出しスタイルに組み込むと、見出しを直後の段落に結び付けておくことができます。
これは、手動で改ページや空白行を繰り返し挿入するよりも信頼性が高くなります。
21. 章見出しを自動的に新しいページから開始する
博士論文や学術書では、各章を新しいページから始めることが一般的に求められます。著者は、各章の前に手動で改ページを挿入することで対応することがよくあります。
より適切な解決策は、「見出し 1」の段落設定に段落前で改ページを組み込むことです。
これで、すべての「見出し 1」が自動的に新しいページから始まります。前の文章が増減しても、Word は追加の手動操作なしに正しい章の位置を維持します。
22. 空白の段落でレイアウトを作成しない
見出しをページ下部へ移動するために Enter キーを繰り返し押すことは、Word の書式が不安定になる最も一般的な原因の一つです。
空白の段落は、文章を修正する際に予期せず移動し、改ページ後に大きな不要スペースを生じさせることがあります。
使用:
- スタイルベースの段落間隔
- 改ページ設定。
- 本当に必要な箇所にのみセクション区切りを使用する。
これらのツールを使うと、文書がはるかに安定します。
23. 他のWord文書からテキストをコピーする際は注意する
学術著者は、複数のファイルの内容を組み合わせることがよくあります。論文の章が別の文書として始まっていたり、節が学会論文や学術誌の原稿をもとに作成されていたりする場合があります。
コピーや貼り付けによって、元のファイルのスタイルが取り込まれることがあります。見た目は見出し2に似ている見出しでも、実際には取り込まれたカスタムスタイルが使われている可能性があり、ナビゲーションウィンドウや目次に不整合が生じます。
他の文書から資料を挿入した後は、次の点を確認してください。
- 章見出しには適切な見出し1を使用する。
- 節には見出し2を使用する。
- 項には見出し3を使用する。
- 本文には適切な標準スタイルまたは本文スタイルを使用する。
章を統合する際にスタイルを整理しておけば、提出直前に何百もの不整合を修正するより、はるかに簡単です。
24. 見た目を変えるだけの目的で見出しスタイルを使用しない
見出しスタイルは、実際の見出しを示すために使用してください。太字で大きく表示したいというだけの理由で、通常の文に見出し2を適用しないでください。
そうすると、Wordはその文を構造上の見出しとして認識します。その結果、ナビゲーションウィンドウや目次に予期せず表示されることがあります。
通常の本文に特別な書式設定が必要な場合は、適切な見出し以外のスタイルを使用または作成してください。
25. アクセシビリティを支えるスタイルを使用する
正しい見出し階層はアクセシビリティの面でも重要です。スクリーンリーダーなどの支援技術は、適切に構造化された見出しを使って、ユーザーが文書を理解し、移動できるよう支援します。
手動で太字にした文は、目の見える読者には見出しのように見えるかもしれませんが、支援技術に必要な構造情報を必ずしも備えているとは限りません。
したがって、見出し1、見出し2、見出し3を正しく使用すると、文書管理とアクセシビリティの両方が向上します。
26. 見出しレベルを飛ばさない
論理的な階層は通常、1つのレベルから次のレベルへ順に進むべきです。例えば、次のようになります。
- 見出し1
- 見出し2
- 見出し3
- 見出し2
見出し1から見出し3へ直接移ると、構造上のレベルが欠けているように見えることがあります。
繰り返しになりますが、見た目でレベルを決めるべきではありません。見出し3の見た目が好みなら、誤った構造スタイルを使うのではなく、見出し2を変更してください。
27. 十分な理由なく単独の項を作成しない
1つの節に項が1つしかない場合、その項が本当に必要か検討してください。階層的な分割は通常、下位レベルに2つ以上の項目があることを示します。
例えば、第3.2節に第3.2.1項しかなく、第3.2.2項がない場合、その構成は不必要に複雑かもしれません。
内容を第3.2節に直接組み込んだほうが、より論理的な構成になる可能性があります。
28. 校閲時に見出しの一貫性を確認する
Word のスタイルを正しく使用していても、見出しの表現と階層には依然として人による確認が必要です。
最終校正の段階では、次の点を確認してください。
- 大文字・小文字の使い方。
- スペル。
- 番号。
- 文法的に対称な構造。
- 用語。
- 間隔。
- 階層構造の論理性。
- 目次の正確性。
また、指定されたスタイルで求められている場合を除き、見出しに誤って付いたピリオド、統一されていないコロン、不要な略語がないことも確認してください。
29. 影響を確認してから全体的な書式変更を行う
特定のレベルのすべての見出しを一度に変更できる機能は強力ですが、不適切な変更によって原稿全体が瞬時に影響を受ける可能性もあります。
見出しスタイルを変更した後は、文書全体の複数の例を確認してください。たとえば、フォントを大きくすると長い見出しが不自然に折り返されることがあり、間隔を広げると望ましくない改ページが生じる可能性があります。
1ページでうまく機能するスタイルがどこでも機能するとは限らないため、原稿の冒頭、中ほど、末尾を確認してください。
30. 可能な限り最初から見出しスタイルを使用する
「見出しスタイル」は後から適用することもできますが、執筆プロセスの早い段階で導入すると最も効果的です。
最初からこれらを使用すると、次のことが可能になります。
- 新しい見出しにもすぐに一貫性が保たれます。
- ナビゲーション ウィンドウは、執筆中ずっと役立ちます。
- 目次はいつでも作成できます。
- 構造上の問題が早い段階で明らかになります。
- 全体的な書式変更も容易に行えます。
数年にわたる研究プロジェクトに取り組む博士課程の研究者にとって、こうした利点は非常に大きなものになり得ます。
31. 実践的な見出しスタイルのワークフロー
学術論文の信頼できるワークフローは次のとおりです。
- 学術誌、出版社、または大学の書式ガイドラインを確認してください。
- 本当に必要な見出しレベルの数を決めてください。
- 最上位レベルの見出しには「見出し 1」を割り当ててください。
- 第2レベルのセクションには「見出し 2」を割り当ててください。
- 構造上必要な場合にのみ、「見出し 3」以下のレベルを割り当ててください。
- 各スタイルを、指定されたフォント、サイズ、強調に合わせて変更してください。
- 空の段落ではなく、スタイルを使って間隔を設定してください。
- 必要に応じて、自動番号設定を構成してください。
- ナビゲーション ウィンドウを使用して、見出しの階層を確認してください。
- 必要に応じて、自動目次を作成してください。
- すべての見出しについて、表現、階層、統一性を校正してください。
- 最終提出の直前に、目次を更新してください。
32. 提出前の最終見出しチェックリスト
原稿を提出する前に、次の点を確認してください。
- すべての見出しは、指定された学術誌または大学のスタイルに従っていますか?
- 「見出し 1」は、本当の第1レベルの見出しにのみ使用されていますか?
- 「見出し 2」と「見出し 3」は一貫して適用されていますか?
- 不要な見出しレベルは削除されていますか?
- 見出しは簡潔で、内容が明確ですか?
- 大文字・小文字の使い方は統一されていますか?
- 同じレベルの見出しは、可能な限り文法的に対称な構造になっていますか?
- 番号は、必要な箇所で正しく自動設定されていますか?
- 見出しはナビゲーションウィンドウに正しく表示されていますか?
- 見出しは、その後に続く本文と同じページに保持されていますか?
- 必要な箇所で、章見出しは新しいページから始まっていますか?
- 自動目次は正確で、完全に更新されていますか?
結論
Microsoft Wordで効果的な見出しを設計することは、セクションタイトルを魅力的に見せることだけではありません。適切な見出しシステムは、学術原稿の知的な階層構造を示し、読者が各概念の関係を理解するのを助け、Wordが文書の構造を認識できるようにします。
見出し1、見出し2、見出し3などの各レベルを体系的に割り当てることで、著者は構造上の判断と視覚的な書式設定を分けることができます。その後、フォント、サイズ、間隔、太字・斜体などの要素を一元的に管理できるため、最も長い博士論文や学術書であっても、文書全体の一貫性を確保できます。
実用上のメリットは非常に大きいものです。見出しスタイルを使えば、全体の書式変更をすばやく行えるほか、ナビゲーションウィンドウで効率的に移動したり、自動的な複数レベルの番号付けを利用したり、正確な目次を自動的に作成・更新したりできます。また、複数の章から構成され、何度も改訂される大規模な文書で起こりがちな手作業による書式設定ミスも減らせます。
ただし、Wordのツールだけでは、原稿の構成が学術的に妥当かどうかを判断できません。著者は、どの見出しを各レベルに配置するか、階層構造が論理的か、表現が明確か、そしてすべての書式が該当する学術誌、出版社、大学の要件に準拠しているかを、引き続き判断する必要があります。
したがって、最も効果的な方法は、Wordの構造化ツールと、綿密な学術的判断および徹底した最終校正を組み合わせることです。これらの要素が連携すると、見出しは単なる書式設定の手段を超え、明確で専門的かつ容易に読み進められる学術原稿の不可欠な一部となります。
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